分析手法(LC-MS-MS分析、添加確認試験)
イルホープでは、より正確な分析結果をお客様にお届けする目的で「LC-MS-MS分析」に加え、LC-MS-MS分析の結果の正確性を確かめる「添加確認試験」も行っております。
LC-MS-MS分析
当社の分析サービスでは、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置)を用いて主に分析をしています。LC-MS-MS 分析は、サプリメントや化粧品など多種多様な成分を含む食品などからごく微量含まれる成分を検出する際に使用され、食品中の残留農薬を調べる際にも導入されています。
LC-MS-MS 分析 では、LCによりドーピング禁止物質や農薬などを分離し、それぞれ固有の質量であることをMS-MSにて調べ、得られる波形の強度から、ドーピング禁止物質が含まれていないかどうかを調べています。
この試験方法は尿をサンプルとしたドーピング検査でも実際に行われる方法で、非常に高い信頼性と分析精度を持っています。
添加確認試験
LC-MS-MS 分析は、他の分析機器では不得意とする不安定な成分を分析することができる一方で、依頼製品に含まれるドーピング禁止物質とは関係のない栄養成分などが分析の夾雑成分となり、分析精度が落ちてしまう可能性があります。
そこで当社ではお客様からの依頼製品1つ1つに対し、分析精度の確認を目的に添加確認試験を行っております。
具体的には、お客様からの依頼製品 (A)と、依頼製品に既に濃度が分かっているドーピング禁止物質を添加したもの(B)の2つに含まれるドーピング禁止物質の量を各々測ります。
(A)からドーピング禁止物質が検出されず、(B)からドーピング禁止物質が検出されれば、(A)にはドーピング禁止物質が含まれていないことを正確に判断することができる、という分析手法です。
微量の検出でも違反となるドーピング禁止物質。より正確な結果をお客様に報告するために、当社ではLC-MS-MS分析に加え、添加確認試験も行うことで分析精度を高めています。
アンチ・ドーピング対策を選ぶ際の判断材料の一つとして、ぜひご検討ください。
分析精度
当社では、 ISO/IEC17025 に準ずる体制をとる分析機関において高精度の分析を行っています。
JADA(日本アンチ・ドーピング機構)が公表している「スポーツにおけるサプリメントの枠組みに関するガイドライン」を見ると、製品の分析機関に関しては以下の内容が書かれています。
3.4 製品分析にあたる分析機関に求められる能力要件
対象となる製品の性状を考慮し、分析の下限値は以下の通りとする。① 液体の製品:100ng/1ml
② 固形の製品:100ng/1g《解説》 WADA 認定分析機関に適用される分析下限値を参照するものの、本件に係る下限値の設定は、ドーピング検査とは異なり分析対象物の性状が多岐にわたること等を考慮し、設定した。
引用:スポーツにおけるサプリメントの枠組みに関するガイドライン(JADA)
最新鋭の機器(LC/MS/MS)と添加確認試験により、ガイドラインでの基準である100ng/g(*1)の精度での分析を可能としています。
そのため、万が一のトラブルの際にも、きちんとした証拠としての分析結果を提出することができます。
(*1)サンプルの特性や相性により、100ng/gでは報告できない成分があります。